Bluetooth5.0対応ドングルを使えるようにするまでの道のり
すんなり動いてはくれませんでした
Linuxマシン用に購入した、これを使ってみたいと思いましたが、結構ハマりましたのでまとめです。
とりあえずぐぐってみるとQiitaの記事がみつかり、どうもこの手の製品はRealtek社のRTL8761Bというチップを使っているようです。
例によってバージョンから
$ cat /etc/lsb-release
DISTRIB_ID=LinuxMint
DISTRIB_RELEASE=20.2
DISTRIB_CODENAME=uma
DISTRIB_DESCRIPTION="Linux Mint 20.2 Uma"とりあえずUSBポートにドングルを差し込んでみますが、予想していたことではありますが、動いてはくれませんでした。そもそもUSBポートにドングルを差し込んでも後ろが青く光ってすらくれませんでしたし。
動かない原因を調査中・・・
参考になりそうなページを探していたら、Realtek RTL8761Bの利用手順をまとめたページを発見。（ただし英語ページです）ざっと作業に必要そうなところに目を通すと、
- RTL8761BのFiremwareとconfigがないため動かない
- ファームウエアとコンフィグファイルが以下のの場所に配置されていれば動く。
/usr/lib/firmware/rtl_bt/rtl8761b_fw.binOR/lib/firmware/rtl_bt/rtl8761b_fw.bin/usr/lib/firmware/rtl_bt/rtl8761b_config.binOR/lib/firmware/rtl_bt/rtl8761b_config.bin
とあり、コメント欄で
Good news! RTL8761B has been added upstream to linux-firmware 3 days ago
LinuxReviews
と４ヶ月前に投稿している人がいたので、最新のファームウエア一式には含まれていそうです。
firmware一式をkernel.orgから取得します
kernel.orgのトップページからリンクをたどっていきます。
firmwareディレクトリで一番新しいファイルをダウンロードします。
とりあえず一番新しい「linux-firmware-20210919.tar.xz」をダウンロードしてきました。
ちなみに末尾xzとなっているのはWindowsアプリの7-zip相当の高圧縮タイプみたいです。
$ tar -xz ダウンロードしたファイル名
で展開
$ sudo cp 元の場所 /lib/firmware/rtl_bt/rtl8761b_fw.bin
$ sudo cp 元の場所 /lib/firmware/rtl_bt/rtl8761b_config.bin
でコピーでコピーしました。
・・・しかし、結果は同じ。そもそもドングルの背中が青く光ってくれません。当然Bluetooth機器も接続できません。
別の原因がありそうです。linuxreviews.orgのコメント欄では、動いた報告もあるのに残念な結果です。
原因判明 Linux Mint20.2のデフォルトカーネルでは動きません
もう一度ページをよく読んでみると、次の表記を見落としていることに気づきました。
You will need to upgrade your kernel to 5.8+ if you have an older kernel and you want to use this dongle.
LinuxReviews
要するに「このドングルを使うにはカーネル5.8以上にする必要がある。」ということです。そういえば、Linux Mint20.2という点は気にしていましたが、カーネルのバージョンを確認していませんでした。
$ uname -r
5.4.0-88-genericこまめにアップグレードはしていたのですが、ベースはカーネル5.4だったんですね。新しいカーネルに変更する必要がありました。
カーネルを新しいものに入れ替える
早速カーネルを入れ替えてみます。ちなみに設定後は何も表示されませんが、再起動しないと入れ替えた結果が反映されません。
- アップデートマネージャ→Linuxカーネルを選択
- 左の選択肢から一番新しい5.11を選択
※カーネルを入れ替えたあとにスクリーンショットを撮っているので、すでに5.11が「使用中」の表記になっています
入れ替え後にカーネルバージョンを確認してみます。
$ uname -r
5.11.0-37-genericちゃんとバージョンアップされていました。
ようやく動きました
見事ドングルが認識され、ドングルの背中が青く光ってくれました。その後は、Bluetooth機器もあっさりと接続できました。
kernel.orgの一式に入っているということはそのうち各ディストリビューションに反映されるでしょう。ここの記載はそれまでの暫定対応方法ですね。
